あっという間に通夜、告別式

その後は、葬儀会社を交えて淡々と事が進んだ。通夜・告別式の場所、火葬場。最近は何か、四十九日も繰上げてやるとかなんとか。

急遽会社に休みを取り、通夜・告別式に参列。こんなに親類が多く現れるのなんて、宝くじが当たる以外にもあるんだなと思ってしまったくらい、身内と名乗る人の数々。お香典を置きつつ、「久しぶりだね」と声をかけられることもあったけど、、正直、誰が誰だかさっぱりわからん。

それでもまぁ、知った風な感じで「ど~も~」なんて言いながら酌をして回り、喪主の実父が涙声になるところを久しく(というか初めて?)目にし、色々な意味で貴重な体験をした1日ではあった。

通夜用の長~い線香に火をともし、母親は帰したので実父、兄、僕の3人で飲み明かし、赤ら顔で翌日を迎え、鳴りまくる業務用携帯電話を無視して告別式を終えた。今思うとこれほど48時間を一瞬で過ごしたことは初めてだ。

それからというもの、祖母がかなり落ち込んでしまって実母と叔母で代わる代わる面倒を見ないとこっちも危ないってんで、予想外な出来事が起こりまくった。まぁ祖父が亡くなって、通帳の置き場所もわからんってな状態だったから、いろんな面で支えてくれてたんだなぁとしみじみするとともに、人が居なくなるっていうのはそれほど、影響が波及するもんなんだなぁと深く感じた出来事である。

よく言われることだけど、本当に人はいつ死ぬかわからん。祖父が亡くなったのも、いつもどおり畑仕事をしようとした真夏日、畑に出た途端に脳の血管が破裂して、そのままほぼ即死状態だった。僕たちが到着するまで心臓が動いててくれたのは、祖父ががんばったからなんだと医者は言ってた。オカルトチックな話だけど、残された側としてはそれでも救いには思えるし、キッカケにするには遅すぎたかもしれないけど、祖母に会えるうちに会っておかないといけないと思えた。

いずれは自分にも起こり得る出来事、家族や友人にも起こり得る出来事。全く他人事ではないこの出来事は、世間知らずでちゃらんぽらんの僕に、いろんなことを教えてくれた気がする。


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