不審な着信2件

なんで不思議に感じたかというと、まぁー我が兄弟は殆どと言っていいほど、連絡を取り合わないわけで。兄が地元から東京の大学に進学して、当時中学生だった僕が社会人になって3年目を迎えるまでに大体7~8年の歳月がかかっているが、その間でもメールなどでのやり取りは片手で足りる程度。特に不仲というわけではないが、ことコミュニケーションという意味では圧倒的に不足している兄弟である。

そんな兄が、10分の間に2回も着信を入れてくるなど只事ではないと、(自称)勘のいい僕は既に察知した。折り返し電話をすると「じいちゃんが倒れた。ヤバイらしいから仕事上がって東京駅来い」と。すぐさま、当時の部長にかくかくしかじか、上がらせてもらって東京駅へ。

すると、東北に居るはずの両親が既に東京駅に居て、まずそこに驚いた。亡くなる人の近親が偶然近場に居て「呼んでたんだね」なんてことを言う人がいるが、マジであるんじゃないかというぐらいの偶然で、二人揃って東京に来ていたらしい。流石に母親は平静を装いつつも、落ち着かない様子ではあったが。

そして、栃木県のある駅で下車し、タクシーで病院へ。祖父は、心臓は動いているが脳が死んでいる状態で、到着して10分ほど経った頃、心停止を迎えた。母曰く、「待っていてくれたんだ」と。心霊モノにはとんと縁が無い僕も、こういうときは信じざるを得なかった。

霊安室に祖父が通され、エンジェルセットというのか、キレイにされるまで廊下で待たされた。廊下の壁に沿ってベンチが置かれていて、僕を真ん中に右に父、左に兄という配置で腰掛けた。後ろは壁。

僕が何の気なしに廊下の奥、左の方をずーっと見ていると、僕の右肩をトントンとつつく指の感触。父の方へ振り返ると、父はそっぽを向いている。こんなときに何の冗談かと問い詰めると、父は何もしていないと言い張る。

男3人が揃いも揃って、「じいちゃんだったのかな」などつぶやくとは思わなかったが、気のせいにしては随分とリアルな感触ではあった。




守護霊の祖父に+1 !

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その後は、葬儀会社を交えて淡々と事が進んだ。通夜・告別式の場所、火葬場。最近は何か、四十九日も繰上げてやるとかなんとか。急遽会社に休みを取り、通夜・告別式に参列。こんなに親類が多く現れるのなんて、宝くじが当たる以外にもあるんだなと思ってしまったくらい、身内と名乗る人の数々。お香典を置きつつ、「久しぶりだね」と声をかけられることもあったけど、、正直、誰が誰だかさっぱりわからん。それでもまぁ、知った風